落ち着いたから書く

僕は今年で40歳になるのですが、小学校の低学年の頃にキャンディーズというアイドル3人組がいました。もちろん、小学校低学年でしたから現場に観に行くという事はできなくて、専らテレビの中のキャンディーズを観るだけでした。そんな彼女たちは解散を発表したのですが、その理由として「普通の女の子に戻る」と言ってました。当時の僕には「普通の女の子に戻る」という意味がイマイチ分からなくて、しつこく親に尋ねてた記憶があります。
代々木であ〜ちゃんは普通への憧憬を語りました。キャンディーズの解散の理由を知る者としてはとても心穏やかにはいられない発言で、もしかしたら当事を知るみなさんも同様に受け取ったと思います。また、僕らよりもアミューズの人たちのほうがもっと心穏やかではなかったかと思います(笑)。もちろん、スイートドーナッツの頃からPerfumeを見てる身としては、ビタミンドロップ発売から徳間メジャーデビューまでの期間の閉塞感や、ファーストアルバムの名前が「コンプリートベスト」であるという事を知った時の絶望感に較べれば、代々木のあ〜ちゃんの普通への憧憬を語った事は全然どうという事のない発言ですが。
そして心穏やかでない理由はもう一つありました。普通なことが出来ないくらいに忙しいのはマズいんじゃないのだろうか、という不安です。
もう時効だろうから語りますが、僕はPerfumeの3人が音響機器を一切通さずに唄った歌を聴いた事があります。僕とPerfumeの3人の距離は1m未満で、観客は僕一人。とても貧相でとても贅沢なステージでした。ただ、Perfumeの3人は僕に向けて唄ったワケではなく、気持ちが高まってついつい唄いだしたというのが正解です。僕はたまたまそこに居ただけでした。彼女たちが唄ったのはとあるアニメの主題歌だったのですが、その歌声は歌声というより嬌声というのが正しいくらいにギャーギャーしたものでした。でも、そんなギャーギャーと喚く感じでケラケラ笑いながら唄う姿はとても純粋に楽しそうでした。
もちろん、仕事でのステージではギャーギャー唄うべきではないでしょう。しかし、もし彼女たちがギャーギャーと唄って楽しむプライベートな時間が無いのだったら、それはとても悲しい事です。
僕はPerfumeの3人に擬似恋愛しています(もしかしたら恋愛ではなくて親っぽい目線かもしれませんが)。だから仕事に彼女たちの全てが取られてるなら、そこをとても心配します。もちろんどんな忙しさの中にも隙はあるワケで、その隙を見つけて人生を楽しむべきですから、あ〜ちゃんも早くその隙を見つけられればいいなぁと願うばかりです。